「幽玄の世界」― 神道の真髄を探る

    伝統的日本の霊性とはいかなるものか ― 生命の道・惟(かんながら)の道

  新しい世紀に入っても依然、環境破壊が進み、世界中で争いが絶えない中、果して人類に未来は在るのか?                                                                人間存在の根拠と、そこに付託された使命を明らかにして、来るべき未来を切り開く叡智が、伝統的日本の霊性に隠されていること                                                                                                        を示唆し、未来を予見する書 !!

 本書は私の幼少時からの色々な体験を通して、天地のもろもろの神秘に触れ、生命の神秘の実相を求めて、精神的修練を修め、         さらに永く自然科学、哲学、宗教の世界を遍歴して、これら三つの柱を軸とした区々営々たる真理への歩みを、事実のままに書き        綴ったものである。・・・・・・(本書のまえがきより) 

初版: 昭和61年5月15日

新装版 : 平成19年4月20日

目  次

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1章 神々は実在される

2章 伝統的な日本の心

3章 日本人の心のふるさと

潮文社 刊 定価1,200円 潮文社 刊 定価1,400円+税  

 

 「まえがき」の一部からの抜粋 

  戦後の荒廃から僅か数十年にして、日本は今や世界第三の経済大国に成長したが、この背後には、日本古来の神道思想が存在することに気づいた外国の識者たちは、異常なまでの熱心さで、神道の研究をし、私の古い知人で、数年前、故人となられたフランス人で、スイスのジュネーブ大学教授であった、ジャン・エルベール博士は、「神道―日本の源泉」を著され、外国人の従来の日本神道に対する偏見を是正し、日本及び日本人の再認識に大きな役割を果たしたばかりでなく、日本の神職をはじめ、宗教界に大きな貢献をされたことはすでに周知の通りであり、今後の日本と世界の平和と福祉にとって、誠に喜びにたえない。エルベール博士はキリスト教徒ではなかったが、西洋のキリスト教的思想の中に育ち教養を積まれたが、かねて印度の仏教に注目し、自ら印度各地を訪ねて修行に励みながら、比較宗教学者として仏教の研究に励まれたが、ある知人から仏教の真髄を知りたかったら、日本へ行って日本の神道を学ぶよう助言を得て、戦後、十数回日本を訪ね、「神道―日本の源泉」を著された。

  私が宗教的な方面に眼を注ぐようになったのは、本文にも書いているように、すでに幼少の折からで、仏教やキリスト教に深い関心を寄せ、釈迦やキリストの世界に深く感動した。しかし、真の魂の満足には至らず、もっと高く深い真理が、この世の中にあるはずであると信ずるようになり、旧制中学生の頃から日本の神道に深い関心を寄せるようになった。

  日本最古の古典である古事記の天地創造の神話は、われわれ現代人には縁のないような、雲の上の話を述べているように感じられるかもしれないが、それは大変な誤解であって、これは現実のわれわれに深い関係を持っているのである。

  すなわち、人間が生命として、母体の胎内で受胎し、十月十日でこの世にここの声を挙げていく、その生命誕生の過程と、天地創造の創成神話との間には、極めて重大な相関性を見出すのであるが、この創造の原理を神話の形を通して、そこに比喩的に象徴しているものであることを知るならば、いかに日本の古事記が素晴らしい真理の書であるかということが分かると思う。

  われわれはこういう象徴的真理を把握し、近代科学の実際を踏まえながら、新しい人間の生き方を身につけていくこと、物ごとを根本的に深く考えていくことが、非常に重要なことがらであると思う。
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